導べの星 第14話 ― Epilogue 宿る命、新しい運命。 例え離れていても、心はひとつと信じている。 「おかあさまー!」 あどけない少女が聖殿の廊下を一生懸命母親のもとへ走る。 「姫様!お待ちください!」 「姫様!走っては危のうございます!」 「おかあさま!きょうはお花をつんできました!」 謁見の間にたどり着き、得意げに手にもった花を差し出す少女。 やっと追いついた侍女達は、息も絶え絶えといった様子である。 少女はそのまま、玉座の母親の膝によじのぼる。 母は笑ってそれを眺めている。 母親譲りの金色の巻き毛にふっくらとした頬は、その母が幼かった頃に瓜二つだろうと想像することが難くない。 ただひとつ違うのは、瞳の色。 玻璃のような、青灰色の瞳。 「はい、おかあさま!おかあさまにあげるの!」 その瞳を懐かしいものを見るように見つめていた母は、その言葉でふっと我に返る。 「姫、どうもありがとう。とっても嬉しいわ。でも皆に心配をかけてはいけません。皆に謝りなさい」 「・・・ごめんなさい」 そんな姿を遠くから見守る者がある。 いつかまた時が満ちたら。 あなたという導ベの星が輝くでしょう。 そのときは、もう二度と離さない・・・・・・・・・・・・(fin) 導べの星第13話へ |