2005レ・ミゼラブル観劇録
帝劇4月18日マチネ 

キャスト
ジャン・バルジャン:山口祐一郎
ジャベール    :岡幸二郎
エポニーヌ    :坂本真綾
ファンテーヌ   :マルシア
コゼット     :剱持たまき
マリウス     :藤岡正明
テナルディエ   :徳井優
テナルディエの妻 :瀬戸内美八
アンジョルラス  :岸祐二
ガブローシュ:大久保祥太郎
リトル・コゼット :福田夏未
リトル・エポニーヌ:蛭薙ありさ


今日のカテコはかわいかった。
山口バルに無理やりお手手握られた岡ジャベ、二人で(岡さんは半強制的に(笑))客席に一礼。
他のメンバーがはけてから舞台後方でもう一度一礼。
いつもと同様、舞台装置の柱の陰から更に一礼。
そのまま柱から重なって覗き見するように顔だけだしてバイバイ。
なんなんだ、あのおじ様たちの仲良さげっぷりは(笑)

その前は山口さんがちびコゼとちびガブ二人の手を握っておじいちゃんしてたり、真綾ちゃんとたまきさんがラブラブで眼福だったり、とにかくかわいかった。
幸せvv

本編はバリケードで感涙。
これ、レミゼ的には一番あるべき姿なのだけど、めったにそういう機会がないんだよね。。
久々に泣けました。
詳細はいつものとおり個人別感想で。


山口バル:
今日は比較的抑え目?
でも手抜きという感じではなく(そういう風に見えるときもあるんだ、この方は・・・)落ち着いた演技をしよう、という感じに見えました。
テナルディエのアドリブ挑発にも乗らなかったし。
「またも職務の奴隷か!」が叫びすぎない今日の感じの方が好き。
「たのむ三日の猶予を」も他の人と違って「た『の』む」と日本語らしく発音するところが細かいなといつも思います。
(どっちが楽譜に忠実なのかはわからないけど、山口さんは全体的にこういう音楽的に細かい所に小技が利いている気がする)
相変わらずラストが絶品ですね。
あと、山口さんは裁きのところのシルクハットの扱い方がノーブルで好き。
あそこは別所さんより演技がきれいだと思った。
岡さんとの声の相性は良すぎ。
あれは歌ってて気持ちいいだろうな。岡さんだと絶対音外さないし。
ただ見た目が非常に大男な二人が並んで対決してるのは、はっきり怖いです(苦笑)

岡ジャベール:
今季初岡さん。
っていうか、岡さん、ジャベールで見るのは初めてかな?見たような、見なかったような^^;
演技・歌、どれをとっても王道を究めたような正統派ジャベール。
まっすぐ伸びる声は聞いていて気持ちいい。よくも悪くも四季発声だけど^^;
(しかしそれを言ってしまうと、バル・ジャベはSP含めても別所さん・石井さん以外全員元四季だ^^;)
これはみんなが絶賛するのはわかるなぁ。
(でも私は綜馬ジャベールが好きだ。あの雰囲気は岡さんにはない独特のもの)
アンジョルラスよりも音域があっているようで、「追い続けたーーぞーーーー」辺りはさすがハイバリトンという感じ。
今日は長かったな、あそこの最低音。バルジャン1フレーズ歌いきるくらいまで伸ばしてた。そんなにはいらない(苦笑)
歌い方に少々癖があるのは気になるけど(♪おれのなをきーいてーーにげだしたーのかーーと後ろにすべる感じで歌う)充分すぎるくらいの貫禄。
でも今日大ラスで大失敗してましたけどね^^;
♪俺にはゆく道、たどる場所もなーーい!!って(苦笑)
あと、自殺で山口バルと同じフレーズを同じようにオクターブ上げするのはどうだろう?
死ぬ間際の人がそんなに朗々と歌うなよ、と思わなくもないのだけど。
オクターブあげすると、なんか岡さんの個性が消えて山口さんのコピーっぽく聞こえて残念だ。
(しかも今日は微妙に失敗していたっぽいしなぁ^^;)
「ごきげんいかがです警部殿」あたりは、動かないのが正統派ジャベールの基本?
今ジャベールの極端に「俺はしらない!」と動くのはどうかと思ったけど。
岡さんは気付かれたあとの反撃っぷりが綜馬さんより素早くて警官らしかった(笑)
死に方も美しいといえるのではないでしょうか。
一幕最初の衣装がぴちぴちに見えるのを除けば、文句なしのジャベールだったと思います。

真綾エポ:
珍しく歌詞間違い(わかってくれない→わかってないのね)があったりとちょっと不調?
なんかテンション低めに見えました。
声は相変わらず絶好調なんですが。
藤岡君に回されたとき、バランス崩してこけて座り込んでましたね^^;
真綾ちゃんのオン マイ オウンはいつも最後の叫び(縁などなーーーい!!!)でぞくぞくした震えが来ます。
あとどう頑張っても1〜2回しか聞けないのが残念で仕方ない。。。

マルシアファンテ:
この人どうしちゃったんですか?
何があったのというくらいひどい。
唯一この人には金返せと言いたいです。
夢破れての棒読みっぷりに、ファンテの死は妙な抑揚炸裂で節回しも変。
エピローグもとうとう「ゆぅきーーむぅわしょーーう」になってたし。。
既に原語がわかりません。。英語の方がマシと言うならそれでやってくれといいたいよ。
いいよ、スペイン語でもポルトガル語でも。あの変な日本語もどきで歌われるより数百倍ましだから。
声も迫力ないし、やる気あるの?という感じ。
なんとかしてーーー!!

たまきコゼット:
おてんばっぷりが増しているような気がします。
とにかくかわいくて、ずっと目で追っていたい。
透き通る高音が藤岡君と綺麗にハーモニーを作って心地よーーく聴かせてくれます。
最後のパパに縋り付いての『いやいや』が絶品です。

藤岡マリウス:
かわいい!!かわいさが絶対増してる。。
演技も歌もほんと半月前と同じ人とは思えないくらいの上達スピードに脱帽。
・・・まあ、毎日あのバズーカを耳元で聞かされてるんだから、少しは上達してもらわないとという観点もあるのだけど。

藤岡君は、結婚式を待つ後ろ姿とエピローグでコゼットの後ろに控える姿がとても上品になりました。
あそこは三人のうちで一番素敵に見えると思う。
唯一しっかりと「堅物マリウス」を演じていて大好きです。

徳井テナ:
本日初見。
妹の評判が良かったので期待してたら、ちょっと期待はずれ。
音は外すし、演技は微妙。。
今日の演技だけ見てる分には歌=コングさん、演技=佐藤さん、バランス=駒田さんという感じで徳井さんが一歩出遅れという感じ。
瀬戸内さんの歌との相性もあまり良い感じではなかったから、そのせいもあるのかも。

瀬戸内テナ妻:
同じく本日初見。
森さんが「森テナ妻!」と主張しているのに比べ、正統派のテナ妻だと思いました。
演技も歌い方も好きです。
ただ、歌は結構作曲してるっぽい部分があったりして、専門家の森さんのWだとやはり見劣りしてしまうのは否めないですね。
声的にコングさんとは相性よさそうな感じがしましたが、どうでしょう?

岸アンジョ:
絶品。
やはりこの人は舞台に立った時に華があります。
かっこいいーーー!!!
そして、ちゃんとエポやガブの死を沈痛な表情で悼んでくれるところで泣きました。
エポの死のところは「かーのじょーが最初ー」と歌いだすところの表情と入りのタイミングが絶妙。
あ、そういえばワン デイ モアの入りも綺麗だったな。
先日見た坂元アンジョがあまりにデリカシーがなかったからか、倍美しく聴こえた^^;
タイミングと音量は大差ない(っていうかあったらまずいか^^;)ので、あとは気持ち=呼吸の問題なんだとは思うんだけど。
ガブのところは、「任せろ、俺が行く!」あたりはちゃんとマリウスを止めつつバルも止めてて、では自分はどうしたら?みたいな悩みがきちんと見えるのが好き。
で、ガブが「俺が!」と言った瞬間、バリケードに、止めようと駆け出す必死さが切ない。
死に方は落ち方は綺麗だったけど、死に方は手がふるふるしてるのが見えてしまってちょっと残念(笑)
でも姿勢は非常に綺麗で満足です。


阿部裕グランテール:
いつもはプリンシパルのみ評なんだけど、今日はあまりに感動したので個人名。
阿部グランは子供好きでいつもガブと仲良しなのです。
なので、当然、ガブが特攻しに行った時は止めようとします。
まあ、演技で止めようとするのは普通なんですが、
「ガブローーーーシュ!!!」
と絶叫するのはこの方ならではでしょう。
で、ガブが撃たれた後の慟哭の演技が絶品なのです。
一瞬何故行かせた!とアンジョルラスを睨みつけ、己の無力さを体全体で表現すべくこぶしを地に叩きつけます。
もう、このあたりから涙止まらなくて。
バリケードで久々に大泣きしました。
アンサンブルでチケット取ってるわけじゃないから、次回があるかわからないけど、期待したい役者さんです。

福田ちびコゼ:
今日は声をあげて笑ってました。
こういう演出指導が入ったのかな?
とってもかわいかったです。