エリザベート観劇録その10
帝劇9月1日ソワレ 

キャスト(W分+キャス変分のみ)
トート   :内野聖陽
フランツ  :石川禅
ルドルフ  :浦井健治
ルドルフ(少年期):塩野魁土
ゾフィー  :寿ひずる


エリザベート2005初日。
この日をどれほどに待ったことか!!
思えば去年の春に浦井殿下にはまって以来、某@季での苦い思い出と共に遠ざかっていたミュージカルの世界に復帰して早一年半。
その間には、私がミュージカルから遠のいた元凶となった某作品にもう一度手をだして再度打ちのめされたり^^;などということもありましたが、何はともあれ、東宝系ミュージカルにすっかり詳しくなってのエリザ2004年演出版の再演です。

もうとにかく、始まる前にこんなにどきどきしていたのは久々です。
キャストもおばあ様が変わったこと以外は、井上君がルドルフに復活とか、エルマーが今さんとのダブルから藤本君シングルになったとか、ちびルドが二人になったとか、ほとんど変更なし。
2004年版からエリザにはまった私には、昨年一年間の集大成が見られるとあって本当に期待して臨んだ初日でした。

FCで用意してもらった席は、2F前方列センターと私にとってのベストポジション。
席は趣味がありますが、全体が見えるし、照明が綺麗で音がこもらないのでエリザの場合は2階センターが私は一番好きです。

今回は人気演目なのに一ヶ月のみの公演ということで、とてつもないプラチナチケットとなっていて、客層はまず間違いなく98%がリピーター(笑)
あれ、初心者はまず間違いなく自力でチケット取るの不可能だもんなぁ。なんせ一般発売日にはほとんど枚数残ってないんだから…
コアなファンにとってはツボが分かっている分観劇しやすい客層です。
なんだか開演前に妙な一体感があってね(笑)

18:30定刻に開演。
演出、舞台装置は、ほぼ去年と同じ。あ、電飾はなくなってスクリーン投影になってます。
そうそう、この音!この迫力よ!!!
コーラスが昨年より断然パワーアップしています。
去年は必ずどこかでソプラノがすっぽ抜けるとかテノールがひしゃげるとかベースがぶれるとかアルトが聞こえないとかあったんだけど、非常にきれいに揃ってて驚いた。
禅陛下と村井パパは相変わらず素晴らしくて文句なし。
で、まず驚いたのは新おばあ様の寿さん。
なんといっても迫力がすごい!
初風さんも2004年ラスト辺りはかなり凄みがあったのだけれど、寿さんはとにかく歌に重厚感があって安心して聞けます。
ちょっと線の細い春風ママも一緒に歌っていると安心している感じ。
そしてルドルフ!!
何があったんですか、浦井君!!
三ヶ月前のシンストはぼろぼろだったし、一ヶ月前にイベントで歌ってたときでもこんなに綺麗には歌えてなかったのに、本気で驚いた。
しっかりと支えが入って高音が浮かないしっかりとした発声、気持ちだけがはやっていた台詞回しも(R&Jのおかげか)すごく安定した。
こーゆーのが聞きたかったんだよーー(じーん)
ちびルドかいと君も8ヶ月でとっても大人になっていて、力強い歌声になっていました。
うーん、成長したんだねぇ、お姉さんは嬉しいよ(笑)

でもって、そんな感慨に浸っているうちにうっちー閣下登場。

内野閣下のフェロモン炸裂の登場は健在でした(笑)
…って、あれ、うっちー、もしかしなくてもめちゃめちゃうまくなってます??
なんか去年心配してた高音のひっかかりとかがなくなって、ロングブレスの所も非常に安定してるんですけど。
きゃー、そしたら文句の付け所ないじゃないですか!
去年うっちーに点が辛かった唯一の所が歌でしたから。

高嶋ルキは、去年が完成形で、これ以上は進化しないだろうと思っていたのだけれど、お兄ちゃんすごいよ……また新しい解釈を魅せてくれました。
なんだかますます静かな凄みを増した感じ。
変な悪目立ちがなくなって狂言回しに徹した分、演技が目立つようになっていたように思います。

そして一路さん。
とにかく声が伸びる伸びる。
去年は時折苦しそうに聴こえることもあった高音もすごくクリアになっていて、嬉しかったです。
やっぱり精神的なものもあるのかな?
久々の開放感でシシィに戻った嬉しさがあったのかもしれません。
「私だけに」あたりでは、思わず目に涙、というところもあったみたい。

役者さんてすごいです、脱帽。。


二幕は「私が踊る時」でハプニング発生。
内野閣下、途中でふっと歌詞が飛んでしまったらしく、同じ歌詞を繰り返してしまいました。
似たフレーズだけど、微妙に音が違うこともあって一路シシィもうっかり引きずられてしまったようで、思わず作詞(笑)
うっちーのは明らかに間違いだとわかったけれど、一路さんのは微妙だったので、2005年版新歌詞なのかと思った(笑)
あとでパンフ見たら去年と同じだったので、単純に引きずられたみたいです。
うっちー、(しまった!)って顔してちゃだめです(笑)

青年ルドルフが出てきたあたりからは、禅さんと浦井君が本当にすごい迫力。
そしてうっちーの妖艶さがもうぞくぞくしてたまりませんでした。
闇広であそこまで号泣したのは初めてだ。。
去年も思ったけど、浦井ルドは内野トートとがやっぱり絶品。本当に声の相性が良いと思います。
浦井君の歌い方に芯が通るようになっていて、高音を出しても苦しそうに浮かない。
なんというか、ファンとしてここまで短期間で結果を出してくれるのは本当に嬉しい。
やっぱりストレートのR&Jやったのが一番身になってるんだろうな。
言葉の表現力という点では、イブラヒムだろうし。
精神面ではウルルンかも。
昨年エリザからの間で唯一のミュージカルだったシンストについては、実は一番疑問符がついたりするのだけれど(苦笑)
マイヤーリンクでの表情もなんとも言えず、素晴らしい演技だった。
もともとあのシーンが全幕通して一番好きなのだけど、もう、なんというか。
そこに、運命に翻弄されるルドルフがいました。

禅さんの「帰っておいで」の言い方でまたボロ泣きし、「悪夢」で息が止まりそうになり、そして素晴らしく幻想的なエンディング。
ラストのちゅーが昨年よりあっさりした気がしたけど、演出としては前より綺麗に見えて好きかな。

なんというか、もう言葉に出来ない感動の舞台でした。
初日にして理想の完成形を見てしまった感じです。

カテコでは主役達を差し置いて、寿さんが絶大な拍手をもらっていました。
やっぱりみんな良く見てるなぁ(笑)って、私も一生懸命拍手しちゃいましたけど。
もちろん、(初めてなのに良く頑張ったね、お疲れ様)的なものもあるんだけど、それ以上に(初めてにしてこんな素晴らしい演技をどうもありがとう)という感じが強い気がしました。
ちなみに自分は後者のつもりで拍手してた。
正直、初風さんより寿さんのほうが自分のイメージのゾフィに近いので。
あと、歌の安定度が全然違うから、メイドさんたちと歌うところとかも芯がある感じで全く違う歌に聴こえた。
もし再演があるなら、今度はおばあ様もダブルで見てみたいなぁ。
寿さんがこの一ヶ月で終わりなのはあまりにもったいない。

なんにせよ、これからの一ヶ月(私にとっては実質10日(笑))2005エリザの進化が楽しみです!