中日8月27日マチネ キャスト(W分のみ) トート :山口祐一郎 フランツ :石川禅 ルドルフ :浦井健治 ルドルフ(少年期):川綱治加来 エルマー :今拓哉 これがあるから舞台はやめられない。 そう思った舞台でした。 本当に素晴らしくて、終始鳥肌立ちっぱなし。 曲間の拍手も忘れて余韻に浸っていた感じです。 今回の主目的は、浦井君は当然として、石川フランツと今エルマー。 特に禅さんは、先月のレ・ミゼラブルコンサートのマリウス役で一目ぼれした役者さんその2(その1は浦井君(笑))ということで、とっても期待していきました。 平日の昼間だからか、以前に増して女性客が多いです。 今回は一階席。二階席で見るのに慣れた身には視界が新鮮です。 なにより舞台が近い!(笑) これで浦井君が目の前にみえる下手側なら文句なしなのですが、今回は中央ブロック上手側です。 一幕 ・我ら息絶えし者ども 3回目にして初めてルドルフはちびルドと同じお棺から出てくることに気付きました(笑) 浦井君今日はよく声が通りますね。マイク?それともほんとうに声量ついたのかなぁ? 禅フランツはとにかく滑舌が良い! この曲は掛け合いと同時に違う歌詞を叫んでいる部分が多く、歌詞非常に聞き取りにくくて、特に綜馬陛下は大概なに言ってるのかわからないんですが、禅さんはすべて聞き取れます。 高島ルキは今日も絶好調ですが、テンションは抑え目に演技している? ・私を燃やす愛→エリザベート大合唱 いつもはゴンドラが降りてきた瞬間に「よ!待ってました!」みたいな常連の視線が集まり、山口さんもそれに答えるような出だしなのですが、今日は降りてくるところから違いました。 とにかく視線というか、かもし出すオーラが怖い! まさに闇の帝王の降臨といった感じで、歌いだしで完全ノックアウト。 いつも囁くような優しい歌い方なのに、この日は同じく囁いてるんだけど、なんていうか冷酷な感じで優しさはかけらもありませんでした。 観客側が思わず息をのんで、姿勢を正してしまうような迫力。 初日は首を傾げてしまった決めポーズも、迫力でカッコよく見えました。 我関せずのルキーニがトートに踊らされてるように見えたのは初めて。 東宝版は、ルキーニとトートってほとんど接点無く見えて、最後の「悪夢」がすごく唐突に感じてたんですよ。これは後で存分に語りますが(笑) ・パパみたいに 村井パパの逢引は、妙にリアルでいやらしいと評判(笑)ですが、私はかわいくて好き。 シシィの側転は帝劇ではしない日もあったらしいですが、中日では完全になったようです。 一路さんの15歳役は賛否両論ありまして、それも当然だと思いますが、私はとってもありだと思います。 贔屓目じゃなくて、結婚前の10代と結婚後ではほんとうに声が違う! しかも、今年の方が2001年版CDより若くなっている気がします。 もちろん、演技が変わっているのが大きいのでしょうが。 ・ようこそみなさま〜落下 歌とかは文句ないんだけど、中日劇場は落下のところでうしろがぱかっ!と開いてそこに全員がハケていくのが非常に気になる(苦笑) 帝劇はあんなに気にならなかった気がするんだけどなぁ。 ・愛のテーマ〜愛と死の輪舞 一路さんのこの歌を聴いてしまってからは、たとえ山口さんでもこれは超えられないかなぁなどと思ってしまったのですが、この日は改めて山口さんの実力に脱帽。 一路さんのトートは『死』そのものなのですが、山口さんのトートは『黄泉の帝王』なんですね。 一路さんや内野さんとは全く違うトート閣下の歌に本当に鳥肌が立ちました。 あの響く重低音で朗々と、けれど一見淡々と(←ここがシシィラブラブのうっちー閣下と違うんですね)の歌い上げられるこの歌を聴いて、本当に山口さんの出演日のチケットから売れるという理由が良く分かりました^^;(しつこいようだが私はうっちー閣下大好き) ・蘇生 シシィに声をかけられたところで、うっちーだと一瞬本気でためらうように立ち止まるのですが、この日の山口さんは、立ち止まった背中が怖かった^^; どちらかというと(なんだ!声をかけるとは不届きな小娘め!)みたいな感じがしてしまって・・・迫力はありました。 ・皇帝の義務 曲に入る前の部分でルキーニがいろいろと小技を決めているのですが、禅陛下だとそれがさらにお茶目、という前評判でしたので、しっかりと見てきました。 確かに、かわいい。 禅陛下は出てきた瞬間(若っ!)と思いました。 いや、綜馬陛下が若くないんじゃなくて、綜馬陛下が「気品あふれる重厚さ」という感じなのに対し、禅陛下は「若き有能な」というイメージを全面に出している感じが。 そしてとにかく台詞と歌詞が良く聞こえる!! ラストの合唱とかぶる『ハプスブルクの安泰』が聴こえたのはびっくりでした。 もうとにかく目を引きます、禅陛下。 いつもはゾフィーやルキーニ、脇のお付衆をみてるときも多いのに、端っこにいても気になって仕方が無い^^; こういうのが『華』なんでしょうか。 綜馬陛下は、この部分は意図して個性を殺して演技されてるので、その対比が印象的でした。 ・計画通り 一路シシィはルキーニの帽子を飛ばすところで微妙に失敗、遠くの方へ^^; 高嶋さん、一瞬本気であせってたようでした(笑) それでもアドリブで何なくかわしてしまうのがさすが。 噂のラブラブ禅陛下、ばっちり見ました! 本気でかわいいです!陛下!!シシィが結婚をOKしたのも良く分かる(笑) この日初めて気付いたけど、ヘレネお姉様、仮にもプリンセスがイチゴ拾うのはどうだろう^^; 禅陛下のはきはきとした歌い方で、やっとフランツが何と言ってシシィを表現してたのかわかりました(苦笑) シシィとフランツが両手とってくるくる回るところで、一路さんの表情がすごくかわいかった! ・あなたが側にいれば あいづちは、この日の回はそれほどしっかり聴こえなかったけど、とにかくかわいいです。 それだけに、義務に苦悩する表情が切ないのです、禅陛下。 2001年版の歌詞を禅陛下で聴きたいなぁ・・・きっと絶対綜馬陛下よりラブラブ度UPでかわいい! 再演の時は是非考慮いただきたく、東宝様(^^ゞ ・不幸の始まり 浦井君は結婚式にはやはりいないことを確認しました(笑) そのかわり、今エルマーはこっそり右端にいることも確認しました。 藤本さんのときはわからなかったから、今さんはやはり立っているだけでインパクトがあります。 今日は閣下が出てくるだけで妙な緊張感があるため、あのトイレットペーパーもお笑い振り付けも気になりませんでした。 (初日はこっそり大爆笑してたけど) むしろ、迫力に飲まれていた感じです。冷笑が本気で怖かった。 なのに、オーケストラが妙に焦ってて、まだ会場内にこだまが響いているのに次の曲初めてしまったのが残念。 ・結婚の失敗〜結婚式のワルツ 前曲のインパクトを引きずったためか、皆さん妙な気合が入っています。 この日は本当に集中力があって、見ているほうも気合が入る感じでした。 (縄田さん・野沢さん見つけたし(笑)) あと数回で名古屋楽ということで、演じる方も集中していたんでしょうね。 禅ちゃんのダンスは、あくまで優雅な綜馬さんとは違ってとっても愛らしかったです。 っていうか、禅ちゃんのをみて初めて、綜馬さんってものすごくソシアルうまいことに気付いた。 うますぎるからさらっと見すぎててスルーしてたんだったことが、内心3拍子のリズムを数えているに違いない禅ちゃん見て判明^^; あ、そうはいっても禅陛下もとっても優雅です。 それよりシシィを気遣う感じがするのがほほえましいのです(^^ゞ 役者さん的には、実際にうまいか下手かより、「うまく魅せる」ことが重要なのですわ(笑) ・最後のダンス これ、「愛を囁く歌」だと思ってたんですが、この日のはほんとうに「お前は俺のもの!」という歌でした。 山口さんのハイトーンって、ときどきがっ!とひっくり返って別人のような声になってしまうことがあるのですが、このラストは圧巻でした。 シシィ、本気で怯えていたんじゃないだろうか。 あまりのすごさに、会場全体拍手が一瞬遅れました。 いつもはむしろフライング気味なんですが。 ・皇后の務め〜君の味方だ いつもは気の強い皇后様と皇太后様の大喧嘩という感じなのですが、この日は皇后様が少しか弱い感じが。 一路さん、今まで見たことの無い演技でしたね。 フランツのうしろに逃げ込むのがこずるく見えないのがよかったです。 ・私だけに 高音も危なげないどころか余裕。 ほんとうにエリザベートは進化するミュージカルです! ・死のご機嫌〜結婚4年目 この日のルキーニのアドリブは「マエストロ」だったと思います。 いつもより若干音楽が走り気味で、コーラスの皆さんはただでさえ辛いところが歌いにくそうな感じでした。 ・デブレツィン〜皇帝パレード〜エリザベートの怒り 中日劇場からだったのか、2004年演出なのか、両側に張り出した橋に二人の市民が立って歌いだすバージョンのエーヤンはなんとなくなじめません。 (オクターブ違いのユニゾンなのが気になるんだな、きっと) 旗持ってる浦井君はしっかり確認しました。 この、三色旗ドレスのシシィ大好きで、いつも舞台下手に釘付け。 気付くと革命家達は走り去ってて、当然閣下の「いたぞ!」は見られないんですが(笑)、この日は今エルマーの迫力と、山口閣下のオーラが視線を上手に向けました。 うっちーの「いたぞ!」は本当に市民が叫んでいるように叫ぶんですが、山口さんの「いたぞ!」は結構淡々としてましたね。余裕の微笑という感じ。 娘の棺を受け取る禅陛下が本当に呆然という感じで去っていくのが印象的でした。 ・闇が広がる フレーズが短いのもあって、いつもはスルーしがちなんですが、この日の山口閣下は本当に絶品でした! うーん、もう一度聴きたい! ・退屈しのぎ 下手一番奥端にいる人が、浦井君に見えてしまって以来、正面で小芝居してる今さんたちが目に入らなくて困りました(笑)。いや、違ったんですが。 ・ひ弱な皇太子 光平君の絶品演技を見てしまった後では、川綱君だと微妙に物足りない。 でも帝劇より格段にうまくなってました。 ・エリザベート(愛のテーマ)〜エリザベート泣かないで(愛のテーマ) ここでも禅陛下の歌は最高でした! はきはき歌うのに、悲哀感が伝わってきて・・・シシィ、なんで冷たいんだよぅ!って。 山口閣下はこの日はコケもせず(笑)、羽ペンもばっちり突き刺さって冷酷に去って行かれました(^^ゞ ・ミルク 浦井君、後ろの方とはいえ、結構ど真ん中にいるんですね^^; 最後なんか、一番目立つ位置と言ってもいい場所だし。 この日はダンスじゃなくて、ひとえに浦井君をチェックし続けました(笑) パクさんはともかく、浦井君が荷車ひっぱってくのは細いから大変そうだ^^; ・皇后の務め(エステ) ここのダンス、かわいくて好き。 リヒテンシュタイン夫人がちょっと不調だったのかな?裏返ったような。 ・私だけに(リプライズ)〜私だけに(三重唱) 本当に遠征して来てよかった。 そう思った一部ラスト。 エリザはこの一路さんの神々しさにやられたのですよ! 綜馬陛下は一路シシィが降りてきた時もあまり動かないのですが、禅陛下はちゃんと階段にエスコートしに行こうとするのですね。 で、あまりの美しさに立ちすくむ、と(笑) 本当に驚いたのですが、禅ちゃんだとラストの「エリザベート!」がクリアに聴こえました。 綜馬さんだと、中音域歌ってるので山口さん・一路さんの高音にかき消されちゃうのか、なんていってるのか聞き取れたことがなかったんで、ちょっと感動。 ここも、一路さんが扇を開いてから、観客に息を呑む一瞬の空白があってからの大拍手。 ほんとうに惜しみない拍手という感じでした。 一幕だけで語り尽くした気がする(笑) ということで一幕だけで勘弁してください^^; |