こちらは、「あなたと共に永遠を」の原型となったなりBの過去ログです。
これを読んでから、お読みになると過去のいきさつがわかるでしょう(笑)
小説形式に直してUPしようかとも思いましたが、ま、その場の勢いも大事よね、ということで原文のまま再録です。


配役
エルンスト(葉月) コレット(如月)
レイチェル(如月・葉月) オリヴィエ(ちせ)






美しい星空だ

宇宙には神秘を感じる。
あなたはそう思ったことがあるのでしょうか?

あなたが育む新宇宙は、まだ発展途上で、だからこそ尽きない神秘と愛しさを感じる。
いや…愛しさを感じるのは、「あなたの」宇宙だからかもしれない。

これほどまで自分があなたの面影を追いかけるなど、いままででは予想もつかなかったのですが。

アンジェリーク、あなたに逢いたい…




今日も一日が終わろうとしているわ。

レイチェルのおかげで宇宙は今日も平和に終わったみたい。
星もキレイに瞬いていて・・・あの人のいる宇宙はあの辺かな。
こうして女王になった事に後悔はないし、レイチェルもいてくれて毎日楽しいけど・・・。
元気にしてるかな?エルンストさん。
逢いたいけれど、それは無理な話よね・・・さ、もう寝ようっと。




は?
出張、ですか?
ロザリア様、それで一体どこへ…?

新宇宙!! 新宇宙ですか?

はい、ええもちろんです。
すぐに準備致します。

…アンジェリーク待っていてください。これから逢いに行きます。


ねぇ〜!
聞いて聞いて。
ロザリア様からの連絡があってエルンストがここに来るんだってさ。
…なぁに、さっきから笑っちゃって〜。(肘でコレットの腕を突つく)
良かったね、アンジェリーク。


え!?
本当に来るんだ。ウフフ。
(レイチェルに突つかれて)や、やだレイチェル。
私そんなに笑っているの?嫌だわ(と言いつつも顔が笑っている)
でも、どうしてここに来る事になったのかしら?
私の宇宙に何かおかしな所でもあるのかしら?(少々不安になる)


はぁい、エルンスト♪
おーや、何だかずいぶん楽しそうじゃな〜い?
出張に行くのがそんなに嬉しいの?アンタってやっぱり
変わってるねェ、私なんてだーいっキライ!
え、そんなことないって?ダメダメ、ワタシの目はごまかせないよん♪
で、どこに行くのさ。ん?
……ほーお、へーえ、なるほどねぇ。
ふう〜ん、そりゃあ楽しいでしょうねェ〜(目を三日月にして笑うヴィエ様)
ふふふ、なぁに赤くなってんのよ、今さら☆
早く行ってあげなよ、カワイイあの子のことだもの、きっと
ドキドキしながらあんたのこと待ってるよ♪

(走り出す主任様に)あ、ねぇ、おみやげ忘れないでよ!!
ちょっと、聞いてる〜〜!?


ふう。
(小走りにオリヴィエを撒いて一息つく)
まったく、オリヴィエ様ときたら困ったお方だ。

出張が楽しいわけない…なんて言えるわけないじゃないですか(苦笑)

アンジェリーク、待っていてくださいね。もうすぐです。

…遠い空の下、あなたが同じ気持ちでいてくださることを願っています。



もう少しでエルンストさんは来るのかしら?
(ソワソワしながら辺りをうろつく)
あぁ、でもこんなことしていたらエルンストさんに怒られちゃうかも。
偵察にでも行って来ようかしら。
レイチェル、ちょっと散歩に行ってくるからね。
そんなに遠くにいかないから心配しないで、じゃぁ行ってくるわね。


ちょっと!
アンジェリーク待ってってば!
…あーあ、行っちゃった。 
ま、仕方ないか。
ここにいても、どうせ仕事にはならないだろうしね。

っと、惑星間通信だわ。

はい、こちらレイチェル…
あ、エルンスト?


お久しぶりです、レイチェル。
女王補佐官殿に於かれては、お変わりもなく何よりです。
え?いえ、これは公務ですので。

先ほどロザリア様より出航許可を頂きましたので、これからそちらへ向かいます。
で、そ、その…アンジェリーク、いや女王陛下は…?

そうですか、いないのですね。(あからさまに声が落胆する)
わかりました。よろしくお伝えください。
では。 (通信終了)


(通信終了)
まったく、エルンストってば分かりやすいよね〜。
アンジェがいないって聞いたら、ガックリしちゃってさ。
それにしてもどこに行ったのかな?
もうそろそろ帰ってきてもいい頃なんだけどな(窓を開けて外を見る)
いないなぁ…早く帰ってくればいいのに。


少しでも顔を見られるかと思ったのですが、そうはうまくいかないものですね(嘆息して苦笑)

(数時間後宇宙船の中。星を見ながら一人物思いにふけっている)
アンジェリーク、今あなたは何を考えているのでしょう?
私は、あなたのことばかり想っておかしくなりそうです。
いや…既におかしくなっているのでしょうね。
逢えないと思って抑えていた気持ちが風船が膨らむように膨れ上がり増大している。
このままでは、本当にあなたに会えた時どうなってしまうのか…自分が怖くなりますね。

私のアンジェ…。


うん、どこも変な所は無いみたい。良かったわ。
これでエルンストさんが来ても安心ね。
(空を見上げる)
もうすぐ、ここに来るのよね…もう2度と直接会うことなんて無いと思っていたのにな。
会ってしまったら、私はちゃんと女王らしく振舞えるのかしら?
前と同じようにして軽蔑されたら…ちゃんと頑張らなくちゃ!


(落ち着かない・・・)
(同行の研究員に「主任、なんだかそわそわしてますね」と言われ)
そ、そうですか?
そんなことはないと思うのですが。
(引きつった笑顔を浮かべ、相手に(…どうしたんだろう?)と思われる)

(窓の外に新宇宙の主星が見えてくる)
ああ、見えて来ましたね。
そろそろ着陸準備に入ってください。


ただいまレイチェル、何か変わった事は無かった?
え?通信が入ってエルンストさんがもうここに着く頃なの?
じゃぁ、お迎えの支度をしなくちゃ。
レイチェル手伝ってくれる?さぁ、急ぎましょう!
(慌てて支度をし始める)


ああ。
ここが彼女の宇宙…彼女の住む惑星なのですね。
予想通り美しい所だ。

愛するあなたが創った宇宙。
この空も、この大地も、みなあなたの愛に満ち溢れているのですね。
少々妬けてしまう気もします…

(こほん)

いや、これからは公務なのだから、気持ちを切り替えなくては。
ああ、あれが宮殿ですね。

(アンジェリーク…)


ねぇ、レイチェル、このドレスおかしくないかしら?
(そう言いながら鏡を眺める)
大丈夫?本当に?
え!?もう、そこまでエルンストさんが来てるの?
大変だわ。レイチェル、お迎えに行きましょう。


(謁見の間の前にて)
(廊下に出たとたん、エルンスト一行と鉢合わせる。久々の対面に言葉を失っている二人を見て)

まぁったく、何やってるの、二人とも?
アンジェリーク、ほら、しっかりしてよ、陛下。

エルンスト、遠い所ご苦労様。
こっちが謁見の間なの。
どうぞ、こちらへ。


ようこそお越し下さいました。
宇宙の女王として歓迎致します。
それで、この度はどういうご用件でこちらに?
(敬語で話してはいるが、笑顔は少々引きつり気味である)


はい。
(一瞬目が合ってしまい、慌てて視線をそらす)

お久しぶりです、女王陛下。
実は、私もあまり詳しい事情は知らされていないのです。
とにかく、こちらの書簡を直接渡してほしい、それでわかるからと、ロザリア様より言付かって参りました。
こちらです。

(書簡を渡す)

私でお役に立てることであれば、どのようなことでもお手伝いさせて頂く所存にございます。


それでは書簡をお預かり致しますわ。
(開いて読んでみる)
プ…あ、大変失礼致しましたわ(そう言いながらも笑いを堪えようとしている)
ご用件を承りましたわ。
こちら準備が必要になりますので、それまで待って頂けないかしら?
お部屋をご用意致しますのでそこでお待ち下さいませ。


ねぇ
(エルンスト達が立ち去った後でレイチェルに近付く)
どうしたの?謁見の最中に吹き出したりするなんて、レイチェルらしくないじゃない。
(レイチェルから書簡をもらう)
何が書いてあるのかしら?……え!?
クスクス。陛下とロザリア様ってば素敵だわ。
私、早速準備するからレイチェルは後をお願いね(嬉しそうに謁見の間から立ち去る)


コンコン
(ノックをしてエルンストさんのいる部屋に入る。服は既にワンピースに着替えてある)
お待たせ致しました。
研究員の方はレイチェルの指示に従って下さい。
エルンスト…さんは私と一緒に来て下さいね。
(一緒に外へ出て行って思わず笑みがこぼれる)
フフッ。今からどちらへ行きましょうか?
あ…その前にこちらを読んで下さいね。
(書簡を渡す)
『女王殿
研究員にはそちらの惑星の調査を。エルンストにはその間に女王殿の相手をお願いするわ。
アンジェリーク、よろしく頼むわね。
                    女王 アンジェリーク・リモージュ』


あ、あの、これは・・・
これは一体どういうことなのでしょう?
(困惑しきった様子。しきりに眼鏡の位置を直す)

・・・ふう。まあ、たまにはこういうこともいいかもしれませんね。

で、どちらに参られるのですか?
お供致します。


そうですね。
では、こっちへ行きましょう!(とさり気なく手をつないでみる♪)
私のお気に入りの場所があるんですよ。
(てくてく歩いて湖に到着)
どうですか?ここは聖地にあった森の湖によく似てるでしょう?
時々ここで休んだり、レイチェルとピクニックしたりするんです。
エルンストさんも気に入ってくれたら嬉しいです。(ニッコリ笑顔)


ああ・・・

確かに懐かしい面影がありますね。
もちろん気に入りましたよ。あなたが勧めて下さる場所でしょう?
私が気に入らないわけがありません。

(しばし二人とも無言)

…あなたに会えなかった長い間、あまりにあなたのことばかり考えすぎておかしくなってしまいそうでした。
いえ…おかしくなっていたのだと思います。

離れてみてわかりました。
自分の中であなたという存在が占めていた割合がどれほど大きかったか。
それを私がどれほど支えにしていたのか。

(ゆっくりとアンジェリークの手をとる)

今こうしてあなたと二人隣にいられることを、私がどれだけ幸せに思っているかわかりますか?
陛下とロザリアさまにはどれほど感謝しても足りませんね。

アンジェリーク、会いたかった…。



あ、あの
(手を握られて頬を染めている)
わ、私もこうして…それもこの宇宙でエルンストさんに逢えるなんて思ってもみませんでした。
だから、あの…こうしてエルンストさんに逢えて、私もとても嬉しいです。
(恥ずかしそうに俯く)



ほんとうですか?
遠い空の下、あなたに逢いたいと…ただそれだけを願っていました。
そしてあなたが同じ気持ちでいてくださった。
この喜びをどう伝えたら良いのか。

私は勉学にしか興味のないつまらない男で…こういうときにあなたに届ける言葉がないことを悔やみます。
オスカーさまのようにあなたを喜ばせる言葉も口に出来ない。こんなことなら練習しておくべきでしたか。
…いや、あなた以外の女性に告げる言葉などありはしない、無意味だ。

だから、アンジェ、あなたには真実を知っていてほしい。
この私の真実を。


真実?
(顔を上げるが、頬はまだ赤く染まったまま)
あの…エルンストさん。真実っていったい何なんですか?
教えてもらえませんか?


ええ、これが私の真実です。
(そっと抱き寄せ、くちづける)

アンジェリーク、愛しています。
どれほど離れようとも、私の心は永遠にあなたのものです。
・・・愛しています・・・


!!!
エ、エルンストさん!
私も…私もエルンストさんを愛しています。
ずっと私も言いたかった…夢みたいです。
エルンストさんは何れ帰ってしまうけど、私の心はいつもエルンストさんの側にいます。
それをずっと忘れないで下さいね
(そう言って照れながらもエルンストに凭れ掛かる)



忘れるものですか。
(そっと抱きしめ、耳元で囁く)
こんなに嬉しい言葉を忘れるなんてできません。
私の帰る場所は、あなたの傍だけです。
いつか、きっと、お迎えに参ります。




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