![]() 「うふふっ、ふふっ」 軽やかに笑い声が響く。 ゆったりとした二人がけのソファ。 アンジェリークとクラヴィスの二人が並んで腰掛けても、まだちょっぴり余裕がある。 今までただそこに座っているだけだったアンジェリークが、いきなり笑い声を立てたのでクラヴィスは視線を手にしていた書物から隣の少女に移す。 「何がおかしい?」 「ううん、なんでもないの。ただ…」 「ただ?」 「うん、ただね、すっごく幸せだなぁ、って思ったの」 ぱふっ。 そのちょっぴりの隙間を埋めるように、アンジェリークはクラヴィスに抱きつくようにもたれかかった。 その突然の行動に驚かなかったわけではなかろうが、クラヴィスはわずかに目を細めただけで、愛しい少女の行動を止めるわけでもなくされるがままになっている。 「そうだな。私も幸せであることに感謝すべきだな」 フッと微笑みながら書物を閉じ、テーブルの上に置く。 「クラヴィス様?」 「お前が私の隣にいること。それが我が喜びだ。闇のやすらぎを司る私が、お前にやすらぎを与えられようとはな」 「クラヴィス様…」 クラヴィスは恋人を胸の中に引き寄せた。 「礼を言おう。お前を私に引き合わせてくれた運命に。もう二度と、幸せを感じることが有ろうとは思わなかったのだからな」 大好きな人の胸の中で、アンジェリークは囁く。 「クラヴィス様、大好き…」 静かな部屋の中。 暖炉の中でまきのはぜるパチパチという音だけが響く。 暖かい二人の幸せの時間。(fin) ************************* 作者より 華月様のサイト「水晶月」2周年祝いに贈らせて頂きました。 あちらでは、素敵なコメント付きで半月ほど前に表に出して頂いていますので、 うちに来てくださっている方には見かけられた方も多いかと思います。 葉月は言わずと知れたルヴァ様ファンですが、最近クラ様がとっても好きなのですvv (多大に田中さんのお声の影響かもしれないのは内緒で) あまあまクラアン、好きなんですよね。 クラヴィス様だと、ルヴァ様と違って無条件に甘えられるところがいいです。 ルヴァ様でこんなことしたら、絶対照れて逃げてしまうと思います(笑) |